「和歌山シニア夫婦の老後を守る──家庭内事故の6割を占める転倒を防ぐ“段差ゼロ平屋”

2025.09.23

老後に潜む「家庭内事故」のリスクとは？

「家庭内事故の約6割は転倒によるもの」──厚生労働省や消費者庁の調査で明らかになっています。特に高齢になるほど、筋力やバランス感覚の低下により、わずか数センチの段差でも大きな事故につながります。

階段からの転落、玄関でのつまずき、浴室での転倒…。これらはすべて「住まいの段差」が原因であり、老後の安心を守るには“段差ゼロの暮らし”が欠かせません。その解決策が「平屋」という住まい方なのです。

老後に平屋が選ばれる理由──階段のない暮らしが安全を守る

高齢者にとって、家は「最も安心できる場所」であるはずです。ところが実際には、家庭内での事故が多発しており、その約6割が“つまずき・転倒”によるものだと報告されています。特に見落とされがちなのが「段差」の存在です。数センチの段差であっても、筋力やバランス感覚が衰え始めたシニア世代にとっては大きな障害になり得ます。

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階段はシニアにとって「最大の危険地帯」

家庭内でもっとも危険度が高い場所が階段です。

夜中のトイレ移動：暗がりの中で足元が見えづらく、ふとした拍子に踏み外す危険がある。
洗濯動線：洗濯物を持って2階へ上がる習慣が、毎日繰り返される転落リスクになっている。
掃除や片付け：掃除機や荷物を持ったまま階段を昇降すると、バランスを崩しやすい。

これらは「特別な行為」ではなく、日常生活の一部です。だからこそ、本人も家族も危険性を軽視してしまいがちなのです。

骨折は“寝たきり”の入り口に

転倒の中でも特に怖いのが「骨折」です。大腿骨や腰椎の骨折は、長期入院・手術・リハビリを余儀なくされるだけでなく、生活そのものを一変させます。

一時的に動けなくなることで筋力が急速に低下
車椅子や介護の助けが必要になり、要介護認定につながるケースも多い
家族の介護負担や医療費も増加し、精神的・経済的負担が大きくなる

実際に要介護となった高齢者の原因を調べると「転倒・骨折」が大きな割合を占めています。つまり、転倒は単なる「ケガ」ではなく、健康寿命を縮め、人生の質を大きく左右する問題なのです。

平屋が“安全”を生む実務ポイント

平屋の本質は「危険の芽を構造的に摘む」こと。次の設計で転倒要因（段差・視認性・姿勢）を同時に潰します。

段差ゼロの徹底
- 玄関・廊下・水回り・テラスのフラット化（敷居・見切り段差の解消）。
- スロープは勾配1/12〜1/15を目安に緩やかに。玄関框は“式台＋緩勾配スロープ”で吸収。
視認性の確保
- 動線の自動足元灯（人感センサー）を寝室→トイレ→洗面まで連続配置。
- 床材・巾木・建具は色コントラストを付け、段差・境界を視覚的に判別。
- 夜間は200lx前後の常夜灯を基準に、まぶしくない連続照明に。
姿勢の安定化
- 主要動線の手すり連続化（壁づたいで“掴める位置”を切らさない）。
- 引き戸化で身体の回転・後退動作を減らす（ぶつかり・つまずきの抑制）。
- 収納は肩〜腰の“楽な高さ”に集約。踏み台を不要にする。
“一直線動線”のレイアウト
- 寝室—トイレ—洗面—浴室を一直線に近接。「夜中の最短・最明動線」を設計段階で作る。
- 洗濯は洗う→干す→しまうまでを1フロアで完結（ランドリー＋勝手口軒下物干し）。