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コラム

和歌山で、ふたりの時間を包む平屋を─建築家が語る『余白のある暮らし』の設計思想

2025.10.20
和歌山 平屋 夫婦二人

平屋を小さくする、もうひとつの豊かさ

 

長年、住宅を設計してきて感じるのは、“平屋を小さくする”という決断こそ、もっとも勇気があり、もっとも美しい選択だということです。

家を建て替える時、多くの方が「子どもたちが帰省した時のために」「収納を増やしたい」とおっしゃいます。

けれど夫婦二人になった今、本当に必要なのは「広さ」ではなく「心の余白」かもしれません。

和歌山の穏やかな光と風に包まれて、

“ふたりの時間を大切に過ごすための家”を考える。

その答えのひとつが、15坪前後のコンパクトな平屋です。

和歌山でシニア世代が叶える、平屋での健康で安心な“これからの暮らし”

 

 

住まいを「コンパクトにする」

 

コンパクト 平屋

 

「空間を減らすのではなく、意味を深める。

家を小さくすることに不安を感じる方は多いでしょう。

しかし実際には、空間を削るのではなく、暮らしの密度を高める行為です。

15坪の家でも、LDK・寝室・水まわり・収納をきちんと設け、

さらに“夫婦のためのスペース”──書斎や趣味室、縁側のベンチなど──をデザインすることが可能です。

狭いのではなく、使わない空間を持たない暮らし

それが、歳を重ねた夫婦にとっての理想です。

広すぎない“手の届く終の棲家”へ 小さくても快適なコンパクト平屋設計の秘訣

 

空間の「密度」と「抜け」を両立させる

設計では、ただ小さくするだけでは窮屈になります。

私が大切にしているのは、光・風・視線の“抜け”を意識した構成です。

たとえば和歌山では、南面からの陽射しが心地よく入るため、

リビングの天井を少し高くして吹き抜けを設ける。

視線の抜ける方向に窓を配置すれば、

15坪の家が不思議と広く感じられます。

「小さくても、広がりを感じる」──それが本当の設計力なのです。

 

 

和歌山の光と風を「設計素材」にする

 

和歌山 平屋

 

気候に寄り添うデザイン

私はいつも、和歌山という土地と“対話”しながら設計を始めます。

紀伊山地からの風、有田川のほとりに漂う朝もや、紀の川平野をやさしく包む朝の霞。

こうした気候のリズムを理解することが、

本当に快適な平屋をつくる第一歩です。

深い軒を出して夏の日差しを防ぎ、

冬は低い太陽を取り込む──そんな設計の工夫で、

エアコンに頼らずとも一年中快適に過ごせます。

 

平屋は自然を取り込む設計

平屋は自然との距離が近い建築です。

だからこそ、自然を“眺める”だけでなく“取り込む”設計が求められます。

私はよく、庭に面した窓を大きく開き、

そこに座れるベンチを設けます。

風が抜け、木漏れ日が差し込むその場所は、

季節ごとに変わる光の表情を楽しむための“特等席”になります。

和歌山の自然は穏やかで、人にやさしい。

だからこそ、外を閉じるのではなく、共に暮らす家が似合うのです。

和歌山の高温多湿&台風に強い平屋のつくり方──通風・断熱・防災を徹底解説

 

 

夫婦二人の「距離感」をデザインする

 

夫婦二人

 

見える距離と聞こえる距離

夫婦二人での暮らしには、絶妙な“間”が必要です。

私はその距離を、「見える距離」「聞こえる距離」で設計します。

キッチンでお茶を淹れる音が届き、

リビングの灯りが視界の端に入る──。

そんな距離感が、安心と独立を両立させます。

この「ゆるやかなつながり」こそが、

夫婦二人の暮らしにおける最大の快適性です。

 

シニア世代の為の声を掛け合う設計

たとえば、寝室とLDKの間に“中庭”を挟む。

ふたりが別々の時間を過ごしながらも、

風や光がその間を行き来することで、

まるで会話のように空気がつながる。

物理的な距離が心の距離を決めるわけではありません。

設計の力で、関係性をやわらかく支えることができるのです。

「2階に上がらなくなった日」──夫婦ふたり、平屋で始める第2の暮らし

 

 

「機能」よりも「情緒」を優先する家づくり

 

家づくり

 

情緒をデザインするということ

性能や効率はもちろん大切です。

しかし、シニア夫婦がこれからの人生を過ごす家では、

「情緒の豊かさ」こそが暮らしの質を決めると私は考えています。

朝の光が床に描く模様、

雨音が軒先を伝う音、

夕暮れの風が障子をやさしく揺らす──。

それらはどれも、数字では測れない価値です。

和歌山の穏やかな気候が、この“情緒の設計”を後押ししてくれます。

断熱性能の高さよりも、心が落ち着く室温と空気感

それが本当の快適さなのです。

 

 

15坪の平屋が教えてくれる「足るを知る」美学

 

15坪の平屋

 

小さな家は「意識の届く家」

家が小さくなると、

モノの量も、生活のリズムも、自然と整います。

“使う・使わない”を丁寧に選ぶことで、

自分たちの価値観が見えてくる。

15坪の家には、家事動線も短く、

視線がすべてに届く安心感があります。

それは、「すべてを把握できる」ことの心地よさ

 

余白の中にある誇り

何かを手放すたびに、

残ったものがより愛おしくなる。

家具ひとつ、照明ひとつにも理由があり、

そこに“自分たちの選択”が映し出される。

この「足るを知る暮らし」こそが、

和歌山で夫婦二人が生きるための静かな誇りになるのです。

和歌山のシニア夫婦必見!“あったらいいな”を叶える新築平屋

 

 

家を建てることは、人生を整えること

 

家

 

私は、家づくりを“人生の編集”だと思っています。

長い年月をかけて積み重ねてきたものを見直し、

これからの生き方を、空間という形で表現する。

平屋はその編集に最もふさわしい器です。

上下の動きがなく、

目線が常に水平であることで、

生活のテンポが穏やかになり、心の動きも静かになる。

和歌山の青空の下で、

朝の光で目を覚まし、

庭でコーヒーを飲みながら話をする。

そんな日々の中にこそ、人生の美しさは宿ります。

人生100年時代、シニアライフを安心して楽しむための住まい選び

 

 

結び──「家を小さく、心を豊かに」

 

和歌山という土地は、

家を飾るより、暮らしを深める場所です。

15坪の平屋は、

豪華さよりも誠実さ、

便利さよりも穏やかさを大切にする家。

夫婦二人が静かに笑い合い、

季節と共に暮らすための“器”として、

この小さな家がそっと寄り添います。

これからの人生にふさわしい住まいとは、

「広さ」ではなく「余白」のある家。

それが、専門家として私が和歌山で提案したい平屋のかたちです。

 

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和歌山で快適・安心に暮らすための第一歩に、ぜひご活用ください。

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